生命と食

「生物と無生物のあいだ」というベストセラーとなった本の著者、福岡伸一さんの講演を東京で8年前に聞いて、忘れられない話があるので、ご紹介したいと思います。

 

それは食べ物と生命に関する話でした。機械論的生命観とそれとまったく異なる生命観。ルドルフ・シェーンハイマーというドイツの科学者の実験で、ネズミに食べ物を食べさせて、その食べ物の分子がネズミの体内に入ったあと、どこへ行き、どうなるか実験しました。自動車とエンジンの関係のように、ガソリンを注ぎ込めば、それを燃やして運動エネルギーに変えて、自動車を走らせることができる。これが端的な機械論的生命観です。シェーンハイマーはこの機械論的生命観のように、ネズミの食べた食べ物は体内で燃やされて、何時間か、あるいは何日かあとに、食べ物の元素が、呼吸や糞尿の中に排泄されると予想していましたが、見事に裏切られました。目印を付けたアミノ酸は全身に飛び移り、その半分以上が、脳、筋肉、消化器官、骨、血管、血液など、あらゆる組織や臓器を構成するタンパク質の一部となっていたそうです。

つまり、食べ物の分子は、単にエネルギー源として燃やされるだけではなく、体のすべての材料となって、体の中に溶け込んでいき、それと同時に、体を構成していた分子は、外へ出ていったとうことだそうです。

食べた食べ物は、もちろんエネルギー源にはなるけれども、体の一部一部を構成しているのです。

食べ物がいかに大切かを物語る話だなと思います。今でも自分には忘れられない話になっています。

この話は「生命と食」という本の中で紹介されていますので、興味のある方はぜひご一読ください。

 

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