とちぎ獣害対策ベースアップ研修に講師として話をさせていただきました。

2018年8月18日(土)、獣害対策ベースアップ研修(栃木県主催)の講師としてお話をしてきました。

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会場は佐野市で行われたのですが、地元佐野市の方や、最近、アライグマ被害やイノシシ被害の増えてきた小山市の方も参加してくれました。

また、佐野高校生も参加してくれました。なんと、獣害について研究しているそうです。

120分という長い研修でしたが、イノシシ、シカ、サルとハクビシン対策について話をしてきました。

私の話を要約すると以下の通りです。

じつは、イノシシの方が人間よりも先に日本列島に入ってきており、人はイノシシとずっと暮らしてきました。

そして、明治という特殊な時代に大乱獲や、人間の活動によって生息地の破壊などもあり、地域によっては、生息数が減少したり、絶滅したりしてしまいました。ですので、明治から最近までは獣のことを考えずに大丈夫な時間が長く続いたのです。100年以上続きました。

したがって、すごいスピードで獣害被害にあうようになってしまった私たちとしては、どうしても獣を排除するように考えがちです。しかしながら、長い歴史的視点にたてば、長く共存してきたのです。このことを理解し、覚えておかなくてはならないと思います。だからこそ、獣のいない状態を考えるのではなく、獣がいるという前提で、上手に人間は獣と付き合う方法を考えることが重要です。

上手な獣害対策としては、まずは、獣害対策の知識をきちんとにつけ、獣のエサやすみかを減らしていくことが大切。そして、そのうえで、自分で畑や田んぼに柵などを設置し、それでもダメなら、捕獲や大規模柵を考えるという順番が大切です。

しかしながら、よくある対策は、捕獲や大規模柵に頼りがちです。捕獲や大規模柵は、行政としても政治の立場からも取り組みやすい側面もあり、どうしても、頼りたくなってしまう対策ですが、あくまでも他のできることをやってからという順番が大切だと思います。

このような話をさせていただきました。獣害対策、大変ですが、考えていかなくてはいけない、私達の課題です。

 

 

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とちぎ獣害対策ベースアップ研修に講師として話をさせていただきました。” に対して1件のコメントがあります。

  1. 毛利公美 より:

    こんにちは。「鳥獣管理士」って初めて聞きました。関塚さんのおっしゃっていること、ほんとに共感します。人間は本当に自分勝手。面倒なつきあいは嫌だといいながら孤独もいやだという。都合のいい時だけ「動物かわいいね」「自然いいね」という。人間は自然の一部、自分は地域社会の一員という気持ちを忘れたくないものですね。

    1. 関塚 学 より:

      毛利さん、コメントありがとうございます!
      獣を除外しようというふうに考えても、うまくいかないんですよね。農薬による害虫対策とおんなじ気がします。
      過疎化高齢化が進む中山間地域で獣と向き合っていくのは難しい側面もありますが・・・。

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