6月30日をもって、一年間の研修を終え、一人の研修生が巣立ちました。

40歳を過ぎ、3人のお子さんを持つ女性で、就農相談に来た一年前、私達は一度、研修の申し出をお断りしました。

これからの人生を考えた彼女は再度、私達を訪ね、研修の受け入れをお願いに来ました。

 

それから一年、女性だということ、年齢的にも体力的にも厳しいということを常々、突きつけられながらの研修でしたが、持ち前の元気とこれまで様々な困難を乗り越えてきたという、かすかな自信が彼女を支えてきたように思います。

そして、様々な方に支えられ、新たな人生を刻む農地を借り、百姓として7月からスタートをきることになりました。

 

有機農業は常に自然と向き合わなければなりません。

作物も生き物も自分の思いどおりになるわけではなく、自然からも社会からも様々なことを学び続けることが必要です。

農作業はもちろん、経営、企画、営業をこなし、そして自分の暮らしを有機的に作っていくことこそ、幸せな有機農家になるために必要なことです。

たった一年の研修で、立派な農作物を作れるようになるとは思いませんが、有機的な生活や思想を感じてもらい、体を動かすことから、農作業において何を優先していくかということや自然を受け入れる心、自然に学ぶ心、自然に感謝する心を学んでもらえればいいなと思います。

 

私自身、人と付き合うことは苦手なので、毎日仕事を指示したり、一緒に作業をすることは楽しいことばかりではありません。

でも研修生の受け入れを始めて3年がたちました。今回の研修生が4人目の卒業生となりました。

毎年、自分の不甲斐なさを感じながら、少しずつ勉強させていてだき、5人目の研修生を受け入れさせていただいています。

今は縁あって関塚農場を訪ねてくださった方に感謝の気持ちが持てるようになってきました。

一年間、研修という、心身ともに厳しい状況を乗り越え、今、新しいスタートを切ろうとしている彼らに心からエールを送りたいと思います。

 

百姓には豊かな才能と努力が必要だ。
未来はそういう人間が田畑を耕す。
大自然の営みを受け入れる心、土と水の力を理解し育む能力、あらゆる困難に耐え、乗り越えるエネルギー。
そして農作物への限りない愛情。
それらが百姓に課せられた資格だ…。

これは私が大好きな「夏子の酒」の9巻に出てくる言葉です。そのまま送りたいと思います。

素晴らしい百姓になってください。